キーボードの話(10の補)──Tomisuke配列・散文向け亜流その後

前回は、Tomisuke配列の散文向け亜流を作ったという話をした。今回はそれを少しだけ改善しようとして失敗したという話をする。

次の図は、今回バージョンアップしようとした「Tomisuke配列・散文向け亜流 ver.2」のキー配列である。

今回の最大のポイントは、「F」と「-」を交換したことだ。

本家Tomisuke配列において「F」が1列飛び出ていることに対する文句はときおり見かける。こうなった理由は、使用頻度が低いだけでなく、「H」で代用できることも多いためのようだ。これはとみすけさんの記事でも指摘されている。

→「【脱QWERTY配列】Tomisuke配列に移行し、QWERTY配列を卒業せよ」(とみすけのブログ)

この記事を読むまで気づかなかったのだが、たしかにぼくもハ行は「HA、HI、FU、HE、HO」と打っていた。よく考えれば大変奇怪なことだ。ファ・フィ・フュ・フェ・フォでなければ「F」を使う必要はない。

さて上図のように「F」を移動したときに問題になるのは、左手人さし指が連続する「フィ」を打つときだ。「フィンランド」「フィリピン」「フィルム」「フィナンシェ」「フィード」「フィットネス」と、フィで始まる単語は少なくない気がするが、ぼくのジャンルでは少なそうだ。

とはいえ、上図を眺めてみると、右手小指の右の列は記号のみが並ぶことになり、見た目にも美しい。

しかし、いざやってみるとどうにもバランスが悪い。それもそのはず、Tomisuke配列では、左手はおもに母音、右手は子音と分担することで、両手のバランスを取っているからだ。こういう最も基本的な仕様を忘れてしまうのはとてもよくない。長音は母音が連続するようなものなのだから、左手に来るほうが自然である。

今回の敗因は、「Fが飛び出ていて美しくない」的な批判に引きずられて原理原則を無視してしまったことにある。キーボードは指で打つのだから、見た目が悪くて何が悪いと、自信を持って割り切っておけばよかったのだ。

なお、今回修正した点はもう1つ、「@」と「?」を入れ替えたことにある(実際には、本家と同じ仕様へ戻した)。確かに2段目のほうが指の移動距離は短くなるが、実際には打ちにくい。ほかの指ならまだしも、小指を前へ出すのは思ったよりもやっかいだった。前述の「F」とは異なり、これは採用した。

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