商品情報
- 出版社:ラトルズ
- ISBN:978-4-89977-535-5
- 価格:本体2,500円+消費税
- 仕様
- 印刷版:B5変形判/248ページ/オールカラー
- 電子版:固定レイアウト
- 発売:2023年10月25日
はじめに
本書は、イギリスに本拠を置くSerif社が開発する画像編集アプリケーション「AffinityPhoto2」の入門書です(執筆時点のバージョンは2.1.1)。対象OSは、macOS版とWindows版です(iPad版は扱いません)。
2015年に初めて登場したAffinityPhotoは、安価で買い切り制ながら、機能の豊富さと扱いやすさで頭角を現したアプリです。写っていないものをAIで描くような派手な機能はありませんが、その質実剛健さも特徴の1つといえるでしょう。
本書では、画像編集アプリの初心者を対象に、スマートフォンやデジタルカメラで撮影した写真をよりよく仕上げたり、多少の加工をしたりするための基礎知識を中心に紹介します。
どれほど高機能であっても、画像編集アプリを扱う上で基礎となるのは、個々の機能を理解することです。はじめのうちは機能を1つずつ使うことになるかもしれませんが、それでも日常的な用途や商品写真の切り抜きのような比較的簡単な用途には十分役立ちますし、それらを組み合わせれば少しずつ複雑な画像編集もできるようになります。どれほど複雑な画像編集も、すべては個々の機能の積み上げでできているのです。
なお、画像編集アプリの主たる用途の1つにイラストの作成がありますが、前述の方針により割愛しています。また、商業印刷や、創作性を強調するような高度な用途や作例も扱いません。それらについてはAffinityPhotoの公式学習サイトやユーザーによるブログや動画、専門家の手による膨大な数のPhotoshopの活用書を読み替えることなどで対応してください。
本書を読むにあたって、必要な知識はとくにありません。写真を撮るのが好きな方、撮った写真をさらに魅力的に加工してみたい方であれば、どなたでもお読みいただけるでしょう。
本書が読者の皆様のお役に立てば幸いです。
2023年夏 向井領治
目次
第1章 準備
1-1 Affinity Photoとは
1-1-1 Affinity Photoの概略
・受賞歴と、ユーザーの支持が証明する高機能
・低価格で、買い切り制
・ライセンスはOSごとに必要だが、台数に制限なし
・アプリ本体とヘルプは日本語対応済み
1-1-2 Affinity Photoができないこと
・日本語組版に非対応
・印刷会社のサポート情報がほとんどない
・Photoshopそのものではない
1-1-3 動作に必要なもの
・macOS版の動作要件
・Windows版の動作要件
1-2 インストールと購入
1-2-1 購入までの流れ
・購入は公式Webストアをおすすめ
・体験版のインストール
・Ver.1からアップグレードする
・ライセンスを購入し、正規版として登録する
1-2-2 公式ストア以外で購入する場合
1-3 起動と終了
1-3-1 起動と終了
・「新規ドキュメント」ウインドウを開く
・アプリを終了する
1-3-2 全体の配色を変える
第2章 予備知識と操作の基本
2-1 ファイルの管理
2-1-1 対応するファイル形式
2-1-2 ネイティブ形式はafphoto
・編集作業を保管する必要がないときは
・別の形式で保存するには「書き出し」
2-1-3 既存のファイルを開く
・起動時のウインドウを使って開く
・ドラッグ&ドロップで開く
・複数のファイルを同時に開く
2-2 ワークスペース
2-2-1 ワークスペースの概要
・すべてのアイコンを表示できない場合
・画像以外の表示を最小限に隠す
・下端のヘルプ
・複数のファイルを開いた場合
2-2-2 ツールバー
・macOS版とWindows版の違い
・ペルソナ
・ツールバーをカスタマイズする
・ツールバーにグループの名前を表示する
2-2-3 コンテキストツールバー
2-2-4 ツールパネル
・隠れているツールを選ぶ
・キーボードショートカットでツールを選ぶ
・ツールパネルをカスタマイズする
・ツールパネルを移動して使う
2-2-5 パネル
・パネルをカスタマイズする
・スタジオ
・表示するパネルをまとめて管理する
2-3 表示の操作
2-3-1 拡大率を変える
・メニューから操作する
・マウスホイールを使う
・ズームツールを使う
・ナビゲータパネルを使う
2-3-2 スクロールする
・表示ツールを使う
・一時的に表示ツールを使う
・マウスホイールを使う
2-3-3 回転する
2-3-4 ルーラーを使う
2-3-5 複数のビューを使う
第3章 画像全体に対する編集の基本
3-1 画像サイズの変更
3-1-1 全体のサイズを縮小/拡大する
・解像度のみを変える
3-1-2 画像を見ながら任意の範囲を切り抜く
・縦横比を決めて切り抜く
3-2 画像の回転と反転
3-2-1 画像を90度ずつ回転する
3-2-2 画像を180度反転する
3-2-3 画像を見ながら任意の角度で回転する
・目安の直線を当てて回転する
・回転すると端が切れているように見える
3-3 色調の確認
3-3-1 ヒストグラムパネル
・ヒストグラムを色調調整の目安に使う
3-3-2 カラーピッカーツール
・カラーピッカーツールのオプション
3-3-3 カラーフォーマットとカラープロファイル
・カラーフォーマットとは
・カラープロファイルとは
・ファイルのカラーフォーマットとカラープロファイルを確かめる
・カラーフォーマットとカラープロファイルを変換する
・一般的な用途ではsRGBを選ぶほうが現実的
・RAW画像を現像したときは
3-4 簡易的な色調調整
3-4-1 自動調整機能を使う
3-4-2 トーンマッピングペルソナを使う
・トーンマップパネルペルソナの概略
・トーンマップパネル
第4章 レイヤーを使った編集の基本
4-1 レイヤーの基本
4-1-1 レイヤーとは
・作業を始めるとレイヤーが作られる
・練習の準備
4-1-2 レイヤーを選ぶ
・ドキュメントウインドウとレイヤーパネルの表示
・複数のレイヤーを選ぶ
・選んでいるレイヤーをつねに注意
4-1-3 レイヤーの重ね順を移動する
・レイヤーの重ね順を変える
4-1-4 レイヤーを複製する
4-1-5 レイヤーの表示/非表示を切り替える
・選択したレイヤーを非表示にする
・選択していないレイヤーを隠す
・グレーの市松模様は透明を表す
4-1-6 レイヤーの名前を変える
4-1-7 レイヤーを作成する
4-1-8 レイヤーを削除する
4-1-9 レイヤーをグループにまとめる
・複数のレイヤーをグループにする
・空のグループを作る
・レイヤーをグループの下位へ移動する
・レイヤーをグループの上位へ移動する
・グループを削除する
・そのほかのレイヤーグループの操作
4-2 調整レイヤーを使った色調補正
4-2-1 調整レイヤーとは
・調整レイヤーが作られるデフォルトの場所
・調整レイヤーを使った作業の流れと、設定ウインドウの基本
・調整レイヤーの設定内容をあとから調整・削除する
・設定しない状態と比較する
4-2-2 さまざまな調整レイヤー
・露出
・レベル
・ホワイトバランス
・明るさ/コントラスト
・シャドウ/ハイライト
・カーブ
・チャンネルミキサー
・特定色域
・カラーバランス
・グラデーションマップ
・白黒
・HSL
・リカラー
・ポスタライズ
・自然な彩度
・ソフト校正
・レンズフィルター
・明暗別色補正
・反転
・しきい値
・そのほかの調整レイヤー
4-2-3 調整パネル
・プリセットを自作する
4-2-4 調整レイヤーを複数作る
・調整レイヤーの順番
・調整レイヤーの効果がない例
4-3 ライブフィルターレイヤーを使った効果づけ
4-3-1 ライブフィルターとは
・設定ウインドウやレイヤーの管理は調整レイヤーとほぼ同じ
4-3-2 ぼかしのライブフィルターレイヤー
・ガウスぼかし
・中間値ぼかし
・モーションぼかし
・放射状ぼかし
・被写界深度
・フィールドぼかし
・光彩拡散
・そのほかのぼかしライブフィルターレイヤー
4-3-3 シャープのライブフィルターレイヤー
・明瞭度
・アンシャープマスク
・そのほかのシャープライブフィルターレイヤー
4-3-4 歪曲のライブフィルターレイヤー
4-3-5 ノイズのライブフィルターレイヤー
・ノイズ除去
・ノイズを追加
・拡散
・ダスト&スクラッチ
4-3-6 カラーのライブフィルターレイヤー
・ハーフトーン
・ビネット
・そのほかのカラーライブフィルターレイヤー
4-3-7 そのほかのライブフィルターレイヤー
・照明
・シャドウ/ハイライト
第5章 レイヤーを使った編集の応用
5-1 新しいドキュメントを作る
5-1-1 空白から新しいドキュメントを作る
・プリセットを使う
・プリセットを作る
・設定の詳細を指定する
・マージンを設定する
5-1-2 クリップボードから新しいドキュメントを作る
5-2 図形を描く
5-2-1 シェイプとは
5-2-2 シェイプを描く
5-2-3 シェイプを設定する
5-2-4 シェイプを変形する
・オレンジ色のハンドルを使って、シェイプを複雑に変形する
5-2-5 シェイプを自由な線へ変換する
5-3 テキストを書き込む
5-3-1 アーティスティックテキストツール
・テキストツールのコンテキストツールバー
・アーティスティックテキストを変形する
5-3-2 フレームテキストツール
5-3-3 シェイプにテキストを組み合わせる
・テキストと組み合わせるとシェイプはテキスト用に使われる
・パス上のテキスト
5-4 さまざまなレイヤー効果
5-4-1 不透明度
5-4-2 ブレンドオプション
・グループ自体はパススルーとして設定される
5-4-3 レイヤーエフェクト
・クイックエフェクトパネルを使う
・レイヤーエフェクトウインドウを使う
・レイヤーエフェクトの設定を後から変更する
5-4-4 レイヤーのロック
・背景レイヤーとロック
5-5 カラーの管理
5-5-1 カラーパネル
・カラーを選ぶインターフェースは共通
5-5-2 カラーセレクター
・カラーパネルを使ってシェイプのカラーを変更する
・そのほかのカラーセレクターの操作
5-5-3 カラーセレクターのカラーを設定する
・スライダーで選ぶ
・ホイールやボックスで選ぶ
・ドキュメントウインドウの表示から選ぶ
・カラーセレクターのウインドウから選ぶ
・スウォッチパネルから選ぶ
5-5-4 グラデーションツール
第6章 範囲の選択と応用
6-1 範囲を選択する準備
6-1-1 なぜ範囲を選択するのか
6-1-2 選択した範囲を示す方法
・点滅する点線による表示
・クイックマスクによる表示
・ぼかした境界を表現できるクイックマスク
6-1-3 不要な範囲を選んで反転する
6-1-4 そのほかの選択に関する基本コマンド
6-2 範囲を選択する
6-2-1 基本の選択ツール
・長方形選択ツール
・楕円形選択ツール
・列選択/行選択ツール
6-2-2 フリーハンド選択ツール
・フリーハンド
・ポリゴン
・マグネット
6-2-3 自動選択ツール
・許容量の設定
・隣接の設定
6-2-4 選択ブラシツール
・「幅」
・「エッジにスナップ」
・「ソフトエッジ」
6-2-5 クイックマスク
・マスクとは
・表示方法を変える
・選択範囲を変形する
・色を塗って範囲を選択する
6-2-6 選択済みの範囲を調整する
・方法と数値を指定して調整する
・手作業でエッジを調整する
6-2-7 選択範囲を保存する
・スペアチャンネルとして保存する
・選択範囲として読み込む
6-3 塗りつぶす、消去する
6-3-1 塗りつぶす
・塗りつぶしツール
・レイヤーを1色で塗りつぶす
6-3-2 消去する
・消去ブラシツール
・背景消去ブラシ
・自動消去ツール
6-3-3 ほかの部分の画像で塗る
・コピースタンプツールの基本
・コピースタンプツールの実例
6-4 2つのレイヤーを使って切り抜く
6-4-1 ほかの画像ファイルを読み込む
・配置した画像を操作する
・画像レイヤーの内容を編集する
・配置ファイルのリンクと埋め込み
・リソースマネージャーを使って管理する
6-4-2 クリッピングを使った切り抜き
・シェイプを使う
・テキストを使う
・背景を透明にしたピクセルレイヤーを使う
6-4-3 切り抜いた後の調整
6-4-4 マスクレイヤーを使った切り抜き
・選択範囲を使う
・ピクセルレイヤーを使う
第7章 ファイルの出入力と作業の効率化
7-1 出力する
7-1-1 ファイルとして書き出す
・書き出し作業の流れ
・詳細設定と、プリセットの作成
・プレビューの操作
7-1-2 プリンターで印刷する
・印刷作業の流れ
7-2 RAW形式のファイルを扱う
7-2-1 RAWファイルを現像する現像ペルソナ
7-2-2 再現像できるRAWレイヤーとして現像する
7-2-3 現像ペルソナのツールバー
7-3 レイヤーを揃える
7-3-1 ガイドを作って合わせる
・目見当で合わせるルーラーガイド
・数値指定して合わせるガイドウインドウとカラムガイド
・ガイドに吸着させる
・ルーラーの起点を移動する
7-3-2 既存レイヤーの位置を合わせる
・整列する
・等間隔に配置する
7-4 作業を途中で保存する/操作を取り消す
7-4-1 履歴を使って操作を取り消す/編集結果を比較する
・履歴パネル
・履歴を保存する
・履歴を分岐する
7-4-2 作業をスナップショットとして保存する
・スナップショットパネル
・スナップショットをレイヤーとして追加する
7-4-3 取り消しブラシツール
7-5 カタログアプリからファイルを渡す
7-5-1 Macの「写真」アプリから渡す場合
7-5-2 Windowsのカタログアプリから渡す場合
執筆環境
- Windows 11, Scrivener 3.1, ATOK